「動詞を助ける言葉」である助動詞。こちらでは、 must / have to を取り上げていきます。

その前に助動詞のポイントを押さえておきましょう。

  • 助動詞は「動詞」と一緒に使う
  • 1つの動詞に使えるのは1つの助動詞だけ
  • 助動詞のあとに「動詞の原形」
  • 助動詞の否定文は後ろに not をつける
  • 助動詞の疑問文は助動詞を文の最初に置く

must の意味と使い方

must では、「~しなければならない」(義務)、「~にちがいない」(推量)などの表現をすることができます。

文の作り方は、主語 + must + 動詞の原形 です。

意味ごとに例文を見ながら理解していきましょう

「~しなければならない」(義務)の must

must は、「~しなければならない」という義務を表しますが、自分の意志による義務というニュアンスが含まれています。つまり、周りの人に言われたからではなく、自主的に「~しなきゃ」と思う気持ちです。しかし、人から言われると強制力を感じる表現になります。

must talk to her. (私は彼女と話さなければならない。)※話す必要があると自分が考えている
We must arrive at the airport in 10 minutes. (私たちは空港に10分で到着しなければならない。)※例えば乗る飛行機に間に合うように

「~にちがいない」(推量)のmust

must には、わりと強めに断定する「~にちがいない」という推量も表します。

She must be tired. (彼女は疲れているにちがいない。)
You must be Cameron. (あなたキャメロンじゃない?)※初めて会う人との待ち合わせなどで

must の否定形

否定形は、mustの後ろにnotをつけて must not とします。must の否定形は「~してはいけない」ととても強い禁止を表します。
You must not run in the hallway. (廊下を走ってはいけません。)

※ must not は短縮して mustn’t (発音は「マスント」)となりますが、短縮すると、「~してはいけない」という禁止の意味のほかに、「~してないのではないかな」と否定の推測の意味にもなります。

must の疑問形

疑問形は、Must + 主語 + 動詞の原形 ?です。「~しなければいけませんか?」という意味になります。

Must I go there now? (私は今、あちらに行かなければいけませんか。)

・・・と、このような文の形になります。文法的には正しいのですが、実際に must を疑問文にすることはほとんどなく、使うとしても例文のように、 Must I ~?と主語が自分になる場合のみと言い切ってもいいくらいです。それでも全くないわけではありませんので、覚えておくといいと思います。

Must I ~?の疑問文への答え方は、上の例文へ答える場合

Yes, you must. (はい、行かなければなりません。)
No, you don’t have to. (いいえ、行かなくてもよいです。) ※must not だと「行ってはいけない」と禁止の意味になってしまいます。「行かなくてもよいです。」の時は、don’t have to を使います。

さあ、ここで新しい表現が出てきました。have to の説明をここからしていきますよ。


have to の意味と使い方

have to も、「~しなければならない」(義務)の表現をすることができます。

文の作り方は、主語 + have to + 動詞の原形 です。ここで注意したいのは、主語が三人称単数の時は三単現のSのルールになるので、have tohas to にしなければなりません。(三人称単数・三単現のSについては、03. 動詞の現在形と過去形をご参照ください。)

意味ごとに例文を見ながら理解していきましょう

「~しなければならない」(義務)の have to

have to も、「~しなければならない」という義務を表します。must が「自分の意志による義務」「強制力のある義務」というニュアンスが含まれているのに対して、have to には強制的な意味はあまりありませんが、その場の状況から判断して「そうするしかない」という気持ちで感じる義務となります。

I have to speak English. (私は英語を話さなければならない。)※話す相手が英語しか話さない状況など
Mark has to go home now. (マークはもう家に帰らなければならない。)※もう家に帰る時間、あるいは予定が控えている状況など

have to には「~しなければならない」という義務を表すほか、「~しないと気がすまない」「~するしかない」と言った表現をすることもできます。

have to の否定形

否定形は、have to の前に don’t (主語が三人称単数なら doesn’t) つけます。must の否定形が「~してはいけない」(禁止)の意味を持つのに対して、don’t have to は「~しなくてもよい」「~する必要はない」という意味になります。主語が三人称単数の場合は doesn’t have to となります。

You don’t have to worry about me. (私のことを心配しなくてもいいよ。)
She doesn’t have to come here today. (彼女は今日ここに来る必要はない。)

have to の疑問形

疑問形は、Do + 主語 + have to + 動詞の原形 ?です。「~しなければいけませんか?」という意味になります。主語が三人称単数の場合は Does + 主語 + have to + 動詞の原形 ? となります。一般動詞の疑問文の作り方と同じですね。

Do you have to go now? (もう行かなければならないの?)
Does he have to finish by ten? (彼は10時までに終わらせなければなりませんか?)

have to 疑問文への答え方は、
Yes, you do.  Yes, he does.
No, you don’t.  No, he doesn’t. となります。

助動詞 have to と must の表現方法おさらいできましたか?中学英語の記憶だと、「~しなければならない」と義務のイメージが強いかもしれませんが、それと同様に「推量」の表現「~にちがいない」もよく会話の中で使われますよ。例えば、「冗談でしょ~」は、”You must be joking!”でOKです!